USスチールの買収禁止命令をめぐり、日本製鉄は裁判で争う姿勢を示しました。
7日午前、東京都内の本社で記者会見を行った日本製鉄・橋本会長。
会見では「バイデン大統領の違法な政治的介入により、今回の大統領令に至ったものであり、到底受け入れることはできない」と述べ、バイデン大統領によるUSスチール買収禁止命令に、徹底的に争う姿勢を示しました。
日本製鉄・橋本英二会長:
訴訟を通じて示されていく色々な事実。勝訴のチャンスはあるということで提訴に踏み切った。アメリカでの事業遂行を決して諦めることはない。(買収を)諦める理由も必要もない。
また、買収に反対しているトランプ次期大統領については、「きちんと説明して理解をいただきたい」と述べました。
一方、USスチールと競合するアメリカの鉄鋼大手クリーブランド・クリフスは、6日に出した声明で、日本製鉄側の提訴に反論。
「日本は中国以上に鉄鋼の過剰生産とアメリカへの有害なダンピングを数十年にわたって行ってきた歴史がある」とした上で、「自ら招いた災難の責任を他人になすりつけようとする恥知らずな試みだ」と非難しました。
クリフスは2023年8月、USスチールに70億ドルで買収を提案しましたが、独占禁止法上の懸念などを理由に拒否されています。
こうした中、岩屋外相は、アメリカのブリンケン国務長官と都内で会談。
USスチールの買収禁止命令について、産業界から懸念の声が上がっているとして対応を求めました。
岩屋外相:
(産業界から)今後の日米間の投資について、強い懸念の声、心配の声が上がっていて、我々としても重く受けとめざるを得ない。懸念の払拭に向けた対応をアメリカ側に求めた。
一方、ブリンケン長官は石破首相を表敬訪問した後、記者団にコメントしましたが、USスチールについては言及しませんでした。