日本が官民を挙げて進めた極東ロシアの石油・ガス開発事業「サハリン2」。国際協力銀行や日本のメガバンクが融資を行い、三井物産、三菱商事が出資をしています。そして、そこで生産されたガスの約6割は日本に輸出されています。
FoE Japanは、計画当初から、現地の環境保護団体や国内外の市民団体とともに、この事業の甚大な環境社会影響の問題を提起し、国際協力銀行の融資に反対してきました。しかし、事業は着々と進んでいきました。
ウクライナ情勢が深刻の度合いを深める中、あらためてこの事業が注目されています。
石油大手シェルやエクソンモービルは、「サハリン1」、「サハリン2」などロシアの石油・ガスプロジェクトから撤退することを表明しました。しかし、日本の官民は継続の方針を明らかにしました。
「サハリン2」により、日本が石油・ガスをロシアから輸入し、その恩恵にあずかってきたことは確かです。しかし、現地の豊かな生態系が破壊され、現地の先住民族が影響を受けてきたことは知られていません。
さらに、この事業がプーチン独裁政権を支え、戦争の資金源になっている可能性を私たちは懸念しています。
本セミナーでは、「サハリン2」を取り上げ、石油・ガスをはじめエネルギー開発の影に潜むリスクを改めて考えます。