上品かつ独特な美しさを持つ木彫り、高度な蒔絵技術、絢爛な金箔が荘厳華麗な“美”を作り上げている「金沢仏壇」。加賀藩細工所で高められた工芸品作りの「技術力」と、加賀百万石の豊かな財力から生まれた「華やかな文化」が見事に融合した金沢仏壇は、とても煌びやかで1976年に伝統的工芸品の指定を受けている。ただ近年は、住宅事情やライフスタイルの変化に伴い、従来の大型仏壇の需要が少なくなり、金沢仏壇の若手工芸士たちは伝統技術を活かしつつ、仏壇や仏具などを新しいかたちへ変化させる試みを行っている。また、日本文化に関心のある外国人に向けて、新たな販路開拓も行われている。創業205年の塗師岡仏壇店・18代目の塗師岡聖治さんもその一人。